1.旅人のうた(2nd Version)
2.伝説
作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき
風につづるしかなかった手紙 あなただけは読んで
雪でつくるしかなかった形見 あなただけは抱いて
記された文(ふみ)だけがこの世に残ってゆく
形ある物だけがすべてを語ってゆく
叫べども あがけども だれがそれを知るだろう
だれも だれも だれも…
(だれも だれも だれも…)
だれのことづてをあなたは聞くの はるか時の彼方
だれの面影をあなたは見るの はるか霧の彼方
浮きあがる花だけを流れは運んでゆく
声高き鳥だけを季節は辿ってゆく
願えども あがけども だれがそれを知るだろう
だれも だれも だれも…
(だれも だれも だれも…)
3.永遠の嘘をついてくれ
作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき
ニューヨークは粉雪の中らしい
成田からの便はまだまにあうだろうか
片っぱしから友達に借りまくれば
けっして行けない場所でもないだろうニューヨークぐらい
なのに永遠の嘘を聞きたくて 今日もまだこの街で酔っている
永遠の嘘を聞きたくて 今はまだ 二人とも旅の途中だと
君よ永遠の嘘をついてくれ いつまでもたねあかしをしないでくれ
永遠の嘘をついてくれ なにもかも愛ゆえのことだったと言ってくれ
この国を見限ってやるのは俺のほうだと
追われながらほざいた友からの手紙には
上海の裏街で病んでいると
見知らぬ誰かの下手な代筆文字
なのに永遠の嘘をつきたくて 探しには来るなと結んでいる
永遠の嘘をつきたくて 今はまだ僕たちは旅の途中だと
君よ永遠の嘘をついてくれ いつまでもたねあかしをしないでくれ
永遠の嘘をついてくれ 一度は夢を見せてくれた君じゃないか
傷ついた獣たちは最後の力で牙をむく
放っておいてくれと最後の力で嘘をつく
嘘をつけ永遠のさよならのかわりに
やりきれない事実のかわりに
たとえくり返し何故と尋ねても 振り払え風のようにあざやかに
人はみな望む答だけを聞けるまで尋ね続けてしまうものだから
君よ永遠の嘘をついてくれ いつまでもたねあかしをしないでくれ
永遠の嘘をついてくれ 出会わなければよかった人などないと笑ってくれ
君よ永遠の嘘をついてくれ いつまでもたねあかしをしないでくれ
永遠の嘘をついてくれ 出会わなければよかった人などないと笑ってくれ
4.ALONE,PLEASE
作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき
夜明け前に雪が降ってたよ あなたに電話したいと思ったよ
LEAVE ME ALONE, PLEASE
LEAVE ME ALONE, PLEASE
きれいだねって ただ言いたかった
冷たい風に首をすくめて 寒いねって思わず口に出しかけて
LEAVE ME ALONE, PLEASE
LEAVE ME ALONE, PLEASE
通りすがりの人に謝ったわ
あれからの君が心配だとか そういうのいらないから
親切とか無理とか そういうのいらないから
好きなことだけを追いかけて生きてね
知らなくていい 知らなくていい 泣いてること知らないで
灯ともし時のウィンドウの中に あなたに似合うセーターを見ていたよ
LEAVE ME ALONE, PLEASE
LEAVE ME ALONE, PLEASE
もう私が贈るなんてできない
あたりまえの夢を見ることなんて たやすいことじゃないね
甘えるとかすねるとか そういうのあわないから
醒めた女だとあなたには見えたのね
知らなくていい 知らなくていい 泣いてること知らないで
あたりまえの夢を見ることなんて たやすいことじゃないね
甘えるとかすねるとか そういうのあわないから
醒めた女だとあなたには見えたのね
知らなくていい 知らなくていい 泣いてること知らないで
5.それは愛ではない
作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき
あてもなく自分を休みたい日がある
弱音を少しだけ解き放ちたい日がある
強がりを続けてどこまでも走るだろう
けれどふと黙りこむ時もあるのだろう
たとえばこんな満天の星の夜
たとえばここで討ち死にをしたくなる
砂に倒れる虚しさよりも
ひとときの人間の心に倒れこみたい
愛ではない それは愛ではない
愛ではない それは愛ではない
やさしさはさほど難しくはない
与えることはさほど難しいことじゃない
奪い取ることさえも恐くはない
なのに他人(ひと)からの恵みには後ずさる
たとえばこんな満天の星の夜
たとえばだれかに従ってしまいたい
宇宙(そら)を横切る軌道のように
なにもかも行く先をだれかに委ねたくなる
愛ではない それは愛ではない
愛ではない それは愛ではない
6.なつかない猫
作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき
なつかない猫を立ちどまらせたらコイン1枚
手をさしのべても飛びすさるばかり 疑い深い
なつかない猫を振り返らせたらコイン1枚
ケガしても誰も届かない場所でうずくまるだけ
誰かのせいでこんなになったわけじゃないのよ
仔猫だった頃からよ ずっとこんなふうだったわ
可愛げのある仲間を 真似してみても真似は真似
いずれすぐにバレてしまう付け焼き刃よ
なつかない猫をおびき寄せたならコイン1枚
好きだったものにはもう手を出さない 罠と見抜いてる
なつかない猫を従わせたなら コイン1枚
なでようとすると手をかいくぐって身をかわすだけ
こらしめなけりゃ気持ちが晴れなくなった男たち
なつかなかった罰だけを与えようとむきになる
湖よりもはるかに鎮まりかえった瞳で
猫は見てる 男たちをコインたちを
7.SINGLES BAR
作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき
だれかあなたを待たせてる人がおありですか
さっきから見るともなく見ている私を悪く思わないで下さい
そこから何が見えますかタバコの煙越し 窓の彼方
マスターはあい変わらず何も話さない 自分のことも何も話さない
夜の入口はさみしくて 眠りにつくまでさみしくて
人の気配のする暗がりに身を寄せたくなります
だれか拾いに来たわけじゃない
いまさらもういいんです
日々をひたすら生きてゆくだけだから
嘘のような時間がほしかったんです
出会うことも別れることも
いまさらもういいんです
ただ だれか同じような人が他にもいると思いたいんです
夜の入口はさみしくて 眠りにつくまでさみしくて
人の気配のする暗がりに身を寄せたくなります
古いレコードをかけるなら思い出よりももっと古いやつがいい
無邪気に「こんな曲知らない」と笑う私になれるから
SINGLES BARのさみしさは 帰りどきを自分で決めること
「もう帰ろうか」って言われて席を立つ残念さもくすぐったさもないこと
夜の入口はさみしくて 眠りにつくまでさみしくて
人の気配のする暗がりに身を寄せたくなります
夜の入口はさみしくて 眠りにつくまでさみしくて
人の気配のする暗がりに身を寄せたくなります
8.蒼い時代
作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき
蒼い時代のことやから忘れてやってくださいと
あなたの親に謝られても 何のことかわからないわ
蒼い時代のただなかで私たちは互いに
過去も未来もないことにして固く抱きあったね
正しくても間違いでもかまわなかった
あなたといることだけしか思わなかった
蒼い時代のことやから忘れてやってくださいと
あなたの親が頭を下げる
私は陽だまりを見る
あんな昔の約束をあなたが覚えていたなんて
驚きました 私はとうに今の暮らしに変わっています
あなたと同じ目元がうるんだように安らぐ
ガラスの中に私は見てる遠い陽だまりの日々
正しくても間違いでもかまわなかった
あなたといることだけしか思わなかった
蒼い時代のことなんか幻でした
約束は信じてなんかいませんでした
これで良かったのよね
9.たかが愛
作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき
まちがいだけを数えていても人の心をなぞれはしない
教えておくれ止まない雨よ本当は誰を探しているの
あぁ この果てない空の下で
何ひとつまちがわない人がいるだろうか
何故にたかが愛に迷いそしてたかが愛に立ちどまらされても
捨ててしまえないものがまだあるの
僕はたかが愛に迷いそしてたかが愛に立ちどまらされても
捨ててしまえない たかが愛
傷つきあったさよならだけが形に残るものだとしても
たしかにあったあのときめきがいつか二人を癒してくれる
あぁ この果てない空の下で
独りでも寂しくない人がいるだろうか
何故にたかが愛に迷いそしてたかが愛に立ちどまらされても
捨ててしまえないものがまだあるの
僕はたかが愛に迷いそしてたかが愛に立ちどまらされても
捨ててしまえない たかが愛
10.阿檀の木の下で
作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき
波のかなたから流れて来るのは
私の知らない貝殻ばかり
波のかなたから流れて来るのは
私の知らない寿歌(ほぎうた)ばかり
遠い昔のあの日から この島に人はいない
みんなみんな阿檀の木になった
波のかなたから流れて来るのは
私の知らない国歌ばかり
遠い昔にこの島は戦軍(いくさ)に負けて貢がれた
だれもだれも知らない日に決まった
波のかなたから流れて来るのは
私の知らない決めごとばかり
陽は焼きつける 阿檀は生きる
大地を抱いて阿檀は生きる
山の形は雨風まかせ
島の行方は波風まかせ
遠い昔にこの島は 戦軍(いくさ)に負けて貢がれた
だれもだれも知らない日に決まった
だれも知らない木の根の下は
主(ぬし)の見捨てた貝殻ばかり
11.パラダイス・カフェ
作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき
ネオンサインが妖しすぎて あらぬ期待の国道沿い
いま通った車もきっと5分でUターンして来る
'60年のカレンダーが今もここでは使われてる
土曜の後が金曜日に変わることでもない限り
いざないの風が吹く なりゆきの顛末
寝そびれた子供には目の毒な宵
※ここはパラダイス・カフェ 夜明けまで色とりどりの客が
みんなパラダイス・カフェ テーブルの向こうに見る甘い夢
ここはパラダイス・カフェ 夜明けまで悩みのない客が
みんなパラダイス・カフェ テーブルの向こうに見る甘い夢※
砂の底から知らず知らず揮発してゆくオイルのように
胸の底から知らず知らず揮発してゆけ昼間の痛み
パームの枝にさえぎられて月はひそかに昇ってゆく
横顔だけをみせて笑う愛想の悪い美人のようだ
いざないの風が吹く なりゆきの顛末
寝そびれた子供には目の毒な宵
(※くり返し)
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